Blizzard Entertainmentは本日（2023年7月7日），「ディアブロ IV」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One）の第1シーズンとなる「厄災のマリグナント」を，北米時間の7月20日10：00（日本時間7月21日2：00）にスタートすることを明らかにした。

　厄災のマリグナントは，キャンペーン終了後にキヨヴァシャドへ戻り，「コーモンド」というキャラクターと出会うところから始まる。コーモンドはもともと光の聖堂の司祭であったが，リリスの腐敗による脅威が新たな形でサンクチュアリを覆い始めたことで，自分の職務を放棄してまで原因追及のための協力者となる戦士を探しているという設定だ。

　その脅威とは，マリグナント（悪性腫瘍）と呼ばれる伝染病である。この腫瘍は触手のような形状をしており，生物の心臓にまとわりつく。これにおかされた宿主は，殺戮の衝動に駆り立てられるそうだ。プレイヤーは，コーモンドに雇われる形でマリグナントの謎を解き明かし，さらにはこの捻じれた腐敗のパワーを自らのものとして利用していくことになる。

Diablo IV | Season of the Malignant | Announce Trailer

　厄災のマリグナントでは，新たに作成したLv1のキャラクターでプレイを開始する。シーズン中は，マリグナントに感染しているエリートモンスターを倒すと「Malignant Heart」（マリグナントの心臓）というアイテムをドロップする。心臓を確保するには，コーモンドから授かる「Cage of Binding」というアイテムで儀式を行う必要があり，この儀式によりさらに獰猛になった状態でモンスターが復活するようだ。

　そうして復活したモンスターを倒すと，ジェムとしての効力を持つ「Caged Heart」が追加でドロップし，それを装備の「Malignant Socket」（悪性ソケット）に装着することで，強力なアイテムへと変化させられる。
　これについてアソシエイト・ゲームディレクターのジョセフ・ピエピオラ（Joseph Piepiora）氏は，Caged Heartをうまく利用すれば“バカバカしいほど壊れたビルド”が生まれるかもしれない，と冗談めかしたコメントを加えていた。

　このCaged Heartは32種類あり，その1つとして紹介されたのが，ジュエリーの悪性ソケットに挿入する「Caged Heart of the Picana」だ。これは，クリティカルヒットダメージを与えた敵が数秒間にわたって電撃を帯び，同じ状態になったほかの敵との間で放電し合いダメージを与えるという効果を持つ。Caged Heartにはレベルがあるようで，グリフのようになんらかの形で効果を強化できるものと思われる。

　悪性ソケットには3つの色が存在し，同じ色のCaged Heartに対応する。それとは別に，非常にレアで特別なCaged Heartも存在し，それはどの色のソケットにも装着できるようだ。宝石職人に新しいソケットを空けてもらうときも，シーズン中は色付きのものになり（色は指定できる様子），同時に3つのCaged Heartを利用できる見込みだ。

　マリグナントによって腐敗したエリートモンスターがどれくらいの確率で登場するのかは不明だが，今シーズンのサンクチュアリには「Malignant Tunnel」（マリグナントのトンネル）と呼ばれる専用ダンジョンも登場する。
　Malignant Tunnelでは，Caged Heartを分解して得られる素材で作成する「Invoker」と呼ばれるアイテムを使うことで「アウトグロウス」と呼ばれる巣がダンジョンの奥に発生し，そこに現れるエリートモンスターを倒すと任意の色のCaged Heartを入手できるそうだ。

　さらに今回のシーズンでは，「侵されしヴァーシャン」と呼ばれる新しいボスも登場する。また，新しい6つのユニークと7つのレジェンダリーアイテムも実装され，これらの一部は「永遠なる領域」（現在我々がプレイしている領域）にも登場する。なお，リード・ゲームプロデューサーのティム・イズメイ（Tim Ismay）氏によると，シーズン開始に備えたパッチが，北米時間の7月18日に実施される予定とのこと。

　開発チームは，シーズン専用のキャンペーンやイベントを「シーズン・ジャーニー」と呼んでおり，厄災のマリグナントもこの3か月だけの大きなイベントと考えればいいようだ。シーズン・ジャーニーは7つのチャプターで構成され，特定の目標をクリアすることでさまざまな報酬が得られる。

　また各シーズンでは，63のプレミアムティアにまたがる27種の報酬アイテムが用意されることが以前からアナウンスされているが，各チャプターの目標を達成すれば「Favor」というリソースが加算され，この積み立てでシーズンの報酬をアンロックしていく仕組みになっているようだ。
　バトルパスの利用者であれば，ゲーム中で得られる「くすぶる灰」というアイテムを収集し，「Seasonal Blessing」（シーズンの祝福）に投資して，獲得する経験値を増加させたり，アイテム分解時のレア素材入手率を上げたりできる。

　そしてシーズンが終了すると，シーズンキャラクターは永遠なる領域に移動する。その際，シーズンでの進行状況と所持していたアイテムもそのまま転送されるそうだ。一方で，シーズン専用のギミックやシステム（今回であれば心臓に関するものなど）は，永遠なる領域に引き継がれないとのこと。

　ピエピオラ氏は配信のなかで，バトルパスを購入済みのプレイヤーであっても，永遠なる領域を継続してプレイできるということを強調していた。Favorを得られる目標の多くは，永遠なる領域での進行度と共有されているため，シーズン・ジャーニーを開始した時点で一定量の報酬を得られる状態になっている可能性もありえるという。
　ちなみに，バトルパスを購入していないプレイヤーでも，シーズン・ジャーニーの多くのコンテンツに参加できるそうだ。

　厄災のマリグナントが始まるまで残り2週間ほどだが，参加する予定であればバトルパスを購入してメインキャンペーンを終了させ，まだ霧が掛かっているマップのエリアを探索したり，リリスの祭壇を見つけておくべきだと，ファーガソン氏は勧める。
　イズメイ氏も，「18日のパッチリリース後に，もっとも成長しているキャラクターで一度アクセスしておくことをお勧めします。これにより，個人のアカウントの共通プログレッションとして処理され，シーズンもプレイしやすくなるはずです」と話していた。

　これは「名声」の引き継ぎについて言及するもので，シーズンに引き継がれるのはエリアの発見とリリスの祭壇で得られる名声になるそうだ。まだこれらの名声をすべて得ていない地域がある人は，シーズンが始まる前に終わらせておくといいだろう。